これは今まで日本高血圧学会が定義してきた「血圧の正常値は129/84mmHgまで」とは、大きく見解が異なりますので、従来の血圧の正常値(血圧6区分)と今一度比較・確認して頂いた方が良いでしょう。
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従来の血圧 正常値 | 上の血圧 | 下の血圧 | 自宅測定時 |
至適血圧 | 119まで | 79まで | 125/80未満 |
正常値 | 120~129 | 80~84 | |
正常高値 | 130~139 | 85~89 | |
Ⅰ度高血圧 | 140~159 | 90~99 | 135/85以上 単位mmHg |
Ⅱ度高血圧 | 160~179 | 100~109 | |
Ⅲ度高血圧 | 180以上 | 110以上 |
新基準(147/94mmHg)と従来の基準ではずいぶんと違うのが分ります。
日本人間ドック学会は、新基準(147/94までが血圧の正常値)を定めるにあたり、「人間ドックに参加した150万人の中で、健康と判断した人の95%が、血圧147/94以内だったので、これを新基準にした・・・」と説明していました。
しかしその後、多数の誤認識や誤報道を受けて、「従来の血圧の正常値、129/84を今すぐ新基準へ変更するものではない」と釈明し、「血圧の正常値は129/84まで」という見解で、2学会とも今のところ一致する形になっています。
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また日本人間ドック学会は、今回のデータの更なる検証を進め、血圧の正常値の新基準を定めていくと言及しておりますが、そもそも、「健康と判断した人の95%が、血圧147/94以内だったので・・・」という判断基準に、やや曖昧さを感じますし、今後もし新基準を発表する場合には、もう少し納得のいく根拠を示して頂きたいと私は思っています。
確かに、「血圧の正常値は129/84まで」というのは、厳し過ぎるのではないか?という声が以前からありましたし、厳しすぎる基準だから、降圧剤の服用者が増え続けてるとも考えられます。
血圧の正常値の新基準の設定に関しては、以前に私が取り上げた、降圧剤の副作用(要介護の比率が上昇)などの問題にも大きく関係してきますので、日本人間ドック学会の見解には、これからも注視する必要があるでしょう。
もし今回発表された「血圧の正常値の新基準は147/94まで」、という数値への緩和が実際に行われれば、間違いなく降圧剤服用者は減少していくと私は考えていますので、今後の新基準の発表には期待せざる負えません。